パンキー・メドウス と Punky's Whips
ちょっとした英語の話。
70~80年代にかけて活躍した、エンジェルと言うハードロックバンドがいました。
このバンドについては以前、こんな事を書いています。
エンジェル言うたら、あなた、白いヒラヒラの衣装で、当時、口さがない人たちから「カマバン」などと、現代では絶対に言えない表現で評価を下されていた、あのバンドですがな。
で、まぁ私は、このエンジェルが結構好きだったんですね。
と同時に、pojama と言うアカウントを見ていただければわかるように、私はフランク・ザッパのファンでもあります。
何の話かと言うと、ザッパの曲で “Punky's Whips” って曲がありましてね。
これはエンジェルのギタリスト、パンキー・メドウスのフワフワトゥルトゥルの長髪と口をすぼめた表情(グラムでセクスイ♥)の宣材写真がありまして、それを茶化した歌詞なんです。
ザッパは、多様性と言うものを昔から理解していただろうとは思いますが、その一方で、歌詞は徹底して下品であり、やたらゲイをネタにしたり、黒人差別的な言葉が使われていたり、と、かなり controversial な内容です。この曲も、そんな1曲。
おちょくられたパンキー・メドウス本人は当時、どう思ってたのかな?と、今更ながら考えまして。
「怒ってもいなかったし、何なら気に入っていた」みたいな記事を見かけたりしますが、エビデンスが欲しいな、と。
インタビュー和訳
で、ありました。Vintage Guitar magazine のWebサイトに掲載されていたインタビューです。
このブログに全文載せるわけにはいかないので、以下は抜粋意訳で。
インタビュアーの「フランク・ザッパの “Punky's Whips” に対してどう思ってた?」と言う質問に対して。
あれはクールだったね!侮辱してるような歌詞だけど、フランクはそう云った風刺に富んだ曲を作る人だ。フランクに関して言えば、若い頃、俺の友達に大ファンがいてさ、そいつの家でマリファナ喫りながら聴いたんだけど、こいつは天才だ!凄ェ!って思ったね。
で、ある日マネージャーから「お前の曲を作りたい、って言ってるぞ」って言われてね。
そして、その曲のテープが送られてきたんだ。俺達は聴いて「わお!こいつはクールだ!」ってなったよ。
フランクは、俺にエンジェルの衣装を着て一緒にステージでプレイして欲しかったみたいで、「もちろん!演るよ」って言ったんだけど、他のメンバーが嫉妬しちゃってさ。結局、俺達はライヴに招待されて最前列で観ただけなんだ。
ステージ後方のカーテンが上がったら、そこには大きな俺の写真が掲げられてたんだぜ!
ライヴが終わったあと、バックステージでフランクは、
「お前は寛大でいい奴だな。今度、俺の家に来いよ。一緒に曲を作ろうぜ」
って言ってくれたんだよ。
どーですか!お客さん。いーい話でしょーが。😊
パンキー・メドウスのウィキペ(英語版)には、「光栄に思い、最終的にはザッパのステージにエンジェルの衣装で登場した」と書いてありましたが、そんな写真が1枚も残っていないはずもなく、これは編集した人の思い違いだった、と言うことですね。
それと、ワーナーが訴訟を怖れて(?)この曲をアルバム『ザッパ・イン・ニューヨーク』から外したのは、時系列としては、この邂逅のあとだったっぽいんです。
会社的には「揶揄された当人が許す/許さない」の話じゃないってことなんでしょうかねぇ。
とは言え、エンジェルのメンバー全員とFZがバックステージで和やかに一緒に写っている写真は確かにあり、また、前述のインタビューを読む限りでは、当時のパンキーが、この曲をネガティヴな意味で捉えていたと言うことは無く、むしろ大変に気に入っていた、と言うのは間違いないところのようです。
単語・イディオム
ところで今回、和訳するに当たって、辞書やWeb翻訳は使わずに概ねの意味は掴めたんですが、肚落ちする日本語にならないところだけ辞書で調べています。
smoke a joint マリファナを吸う
これは元々知っていました。
scrim 舞台の後方のカーテン。紗幕(しゃまく)。
これは、読んでいて意味は何となくわかったけど、紗幕と言う言葉は初めて知りました。(当初は緞帳だと思った)
good sport 寛大でいい人
これも、意味は何となく「いい人」なんだろうな、とは思いましたが、「スポーツ」以外の意味では、今回初めて知った単語かもしれない。へー。
is flattered うれしく思う。光栄に思う。
インタビューではなく、パンキーのウィキペの方に出てきた表現。これも初めて知りました。もちろん、文字どおり「お世辞を言われる」と言う訳もあり得るでしょうけど、それだと全然文意が通らないので「うれしく思う」で正解。
エンジェルの現在
エンジェルは今でも活動しています。
オリジナルメンバーの内、実業家として成功し音楽家としてはリタイア状態のキーボード奏者グレッグ・ジェフリア。それと、早くに亡くなってしまったベースのミッキー・ジョーンズ。
この2人を除いた初期メンバーで頑張っております。
グレッグ・ジェフリアは、2018年のエンジェルのライヴでゲスト出演し、1曲キーボードを弾いていました。長髪のメンバーに混ざって一人だけ「どこかのCEO然とした」ルックス。
(まぁ実際に、数社のCEOなんだけどねw)
かつては、パンキーと人気を二分する「王子様」なルックスの人でしたけどねぇ。
でもバカテクのシンセソロは相変わらずカッコよくて、客の騒ぎ方が半端なかった。公式ないので貼らないけど。
実業家として成功した今でも、普段から楽器は弾いているんだろうな、あれは。
深夜の2時間DTM/1週間DTM
Twitter(𝕏)のDTM企画「深夜の2時間DTM」と「1週間DTM」の溜まっていた分を少しずつでも放出していきます。
今年は、Twitter(𝕏)のDTM企画への参加は少し控えめにして、ちょっと英語にストレプト邁進する所存。
深夜の2時間DTM(34回目)お題「シャンパンで乾杯のシーン」& 1週間DTM(21回目)お題①「ICE RAIN」お題②「ドライブ:海沿いの公道」
#深夜の2時間DTM お題「シャンパンで乾杯のシーン」#1週間DTM お題①「ICE RAIN」お題②「ドライブ:海沿いの公道」
— こぢゃ@TOEICと宅録 (@pojama_toeic) 2023年12月23日
途中のシンセソロは高中さん風。続くオールドスクールなタッピングはASAYAKE風。(リズムはザッパw)
頭と終りにGM97風の音を配しました。
1週間用に作ってたので4時間半くらい😅 pic.twitter.com/Wt7MgRcGlJ
ギターソロ風のシンセソロが結構、お気に入り。
高中さん風のソロ(ドシラソファミレドドはサディスティック・ミカ・バンド「塀までひとっとび」からの借用です)からの、ASAYAKE風のタッピング、でもリズムはザッパの ”Andy” って言うねw
今回は、このタッピングに全振りしておりますw
曲や機材の詳細については、こちらを。
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