前回の続きです。
エルビス・プレスリーは自分の音楽歴にかすりもしてないし、何ならむしろ嫌い、くらいだったんです。
(「ゆえんなじばら」は好きで、文章の中でよく使いますがね)でも、このエルビスが歌う “Good Time Charlie's Got The Blues” が結構いい出来で、抗いつつも、このヴァージョンも好きになってしまったみたいな想い出w
からのチェット・アトキンス!!
さて、ここからはチェット・アトキンスの話。
⚠クソ長ぇーぞ!w
今年2024年は「チェット・アトキンス生誕100周年」に当たります。
私は洋楽を聴くようになる前から、父親の影響で、この人が好きでして。
で、先述のアール・クルーの “Good Time Charlie's Got The Blues”。
左のリゾネーター・ギターがチェット・アトキンス、右のガット・ギターがアール・クルーです。
散りばめられたブルーズのイディオムと和声よ。そして、リゾネーターの響きよ。That's tone!!(後述します)
当時のヤング・ギターにこの曲のタブ譜が付いていたので、チェットのパートをコピーしたりしてました。
でも、中盤からのインタープレイの左側のチェットのソロを聴いてもらえばわかるとおり、「とんでもなくシュレッディング」な部分があったりするんですよね。そこはコピーしてないw
で、このインタープレイ。お互いのフレーズに呼応し合う感じが良いのよなぁ。
ギャロッピング・グルメの浦野光です
この見出しについては、いつの日か説明するかもしれないし、しないかもしれないw
チェット・アトキンスと言えば、何をおいても、ギャロッピング奏法です。
(カントリーピッキングの奏法の一つ。親指でベースラインとリズムを刻みつつメロディと和音を同時に演奏する奏法)
これ、「ボッペッボッペッ」と言うベースラインを親指で弾きながらコードとメロディを同時に弾いてるんですよ。途中のソロはさすがにソロだけ弾いてますけどね。
で、このAメロのギャロッピングですけど…。
これは弾けませんぜ。なんちゅうかもう、コピーする気にもならない。
これを弾くための「運動神経」が、私には無い。
そして、これを思いつくには数学的思考も必要だと思いますね。
彼はこのギャロッピング奏法の黎明を築き、それを確立し、さらに、後続の誰よりもその洗練を推進した人であり、そここそが、多くのギタリストからリスペクトされる根幹と言えると思います。*1
「インペリテリより速い」©原昌和
この見出しについては、いつの日か説明するかも(ry
ただですね、ギャロッピング奏法以外にも、この人は「とんでもなくシュレッディング」と書いたとおり、速弾きも物凄いんです。
それも単純な速さじゃないんですよ。
盲目の名手ドク・ワトソンとの1979年の共演盤で、カントリーのスタンダード「ディル・ピックル・ラグ (Dill Pickle Rag)」と言う曲を演っています。
(元々、二人ともそれぞれがレパートリーとしてレコーディングしている)
で、エンディングのデュエルでチェットが、ほんと驚愕するくらいの速弾きをしており。
1980年頃にこの曲を初めて聴いた時の私の反応:
「え?今の何?何?今の?😲」
って感じでした。ヴァン・ヘイレンを初めて聴いた時のような衝撃がありました。
で、それから10年以上経ってから時空を超えて納得するわけです。
「あれは…スウィープだったのか…」
アコギでw
1979年以前にあれをやっていた人は果たして存在したのだろうか?🤔
残念ながら公式がないので、そのエビデンスとなる動画は貼れないのですが。
ってか、公式以外は基本的に貼らない私ですが、そもそもこの曲に関しては無断転載もほぼ完全に駆逐されており、買うかサブスクでご確認いただくしかないのです…。
ドク・ワトソンと共演しているライヴ映像はあるので、気になる人は探してみてくだされ。別の曲だけどエンディングで超速スウィープしています。
(ガットギターでw)
この Dill Pickle Rag、初期のエレキバージョンであれば公式もあります。そっちは特段シュレッディングって感じじゃないけど、まぁこれはこれで大概キ○ガイですわ。
フラットマンドリンのソロのあと、1:40辺りからの様子が特におかしい。あとエンディングも「どうかしてる」ww
それと、今回聴き込んでみての所感としては、0:30辺りは、ヴェンチャーズの『キャラバン』やジェフ・ベックの『ジェフズ・ブギー』へのインスピレーションになっていると思う。
また、上述の「ディミニッシュを1音半ずつ上げていく」エンディングは、ジェフ・ベックの『スキャッター・ブレイン』の「ディミニッシュを1音半ずつ下げていく」部分を想起させたりもする。
(まぁそれ自体は、もっと昔からあるイディオムかもしれないけど)
フュージョンへの傾倒
さて、80年代以降、チェットは、ライトなフュージョン寄りのアルバムもいくつか出しています。
1985年に出したアルバム “Stay Tuned” はギターのゲストが、ジョージ・ベンソン、ラリー・カールトン、アール・クルー、マーク・ノップラー、スティーヴ・ルカサーと云った超豪華メンバー。(この後のアルバムではリー・リトナーも)
このアルバムは、車でよく聴いたなぁ。*2
この曲はジョージ・ベンソン作。前半がチェット。後半のソロはベンソンですね。
チェットのソロの途中に割って入る 1:24のストリングスが、これまた もーたまらん。
そこここに挿し込まれる「カッ」って言うクラベスも効いてるわねw
メタリカとチェット・アトキンス
あと、チェットについては、別のブログでこんなことも書いていました。
長いけど引用。
むかぁしの Player誌に、メタリカのメンバーのインタビューが載ってましてね。
その頃は「遅れてきたメタラー」になりかけか、もしくは、まだ「メタル?ダセぇ!」と言ってた頃か、とにかく、その端境期の頃ですわ。
多分、インタビューに答えていたのは、カークかジェイソン。
(今なら絶対わかるけど、その頃はメンバーの顔と名前は一致していなかった)気まぐれに読んでいたんだけど、カークかジェイソンが(おそらく)ジェイムズに言われたセリフ。
「何で、お前は、そんなチェット・アトキンスみたいな弾き方なんだ?」
要するに「男はガッガッガッ!とダウンピッキングだろーが!乙女の祈りはダッダッダッ!だろーが!」って事ですわね。
「ちんまりとオルタネイトピッキングしてんじゃねーぞ、コラ」的な。
その時は「メタリカのメンバーがチェスターの話してる!」ってビックリしたもんですが、考えてみたら、アメリカ人にとっては、遠藤実みたいな感じだよね?多分。(ちょっと違うかw)
あー、ここでまた、チェット・アトキンスとメタリカ、美しく繋がりましたね。
没!(まぁ、こじつけだわねw)
因みに、チェスターは、そもそもフィンガーピッキングですからして、オルタネイトピッキングなんて、ほぼ、やってなかったと思うけどねw
このインタビュー、今にして思い返せば、たぶんジェイソンだったと思います。
音のソノリティ
では、最後に超・大好きな曲を貼って終わります。
オーリアンズのとってもとっても美しい曲のカヴァー。
こう云った曲が出てくるというところが、やっぱ腐ってもアメリカ君様殿だと思うわけですよ。
因みに、この曲を書いたオーリアンズのジョン・ホールは、ニューヨーク州下院議員を2期(4年間)務めた政治家でもあります。Political party は Democratic(民主党)。
任期中も限定でバンドには参加していたようですが、任期を終えた現在は普通にオーリアンズやっています。
ウィキペの写真を見ると、なんか笑けてくるのよねw
もう任期終わったんだから最近の写真に変えてやれよと思うけど、本国ではどうも「下院議員を務めた政治家」としてのキャリアの方が重要視されているっぽい。まぁ実際に、今でも何らか政治家としての活動はしているんだろうけど。
閑話休題。
チェット・アトキンスのギターと言えば、彼のシグネチャーモデルであるグレッチ・カントリー・ジェントルマン。ジョージ・ハリスン愛用ギターとしてもお馴染みです。
ですが、80年代前後にかけて、アコギに関しては、リゾネーター・ギターをよく使っていました。それも、ドブロやナショナルのような一般的に知られたものではなく、ブラジルの Del Vecchio(デル・ベッキオ)です。ドブロやナショナルと異なり、ガット・ギターのような響きがあるように思います。
この頃のチェットは「リゾネーター・ギターのソノリティを如何に向上させるか」そして「それを録音した時にどうやって音盤に反映させるか」に注力していたように思います。
いや「音盤に乗る全ての音のソノリティ」と言ってもいいかもしれません。
チェットは現役のギタリストでありながら、RCAレコードの重役でもあったんですが、今のIT業界で言うところのCTO的な立ち位置だったのではないでしょうか?
要するに音響工学の人だったのではないか、と。
(ついでに言うと、ファズやワウワウなどのエフェクターを発案した技術者でもあります)
それにしても…。
1:43 から始まるソロ。毎回ドキッとします。That's tone!!(2回目w)
そこここに挿し込まれる Aadd9(別名プログレ・コードw)のストロークも、また善き哉。
オリジナルも好きだけど、この演奏、めちゃめちゃ大好きです。
以上!
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